木の家の基本は木材。「乾燥木」や「集成材」を使う
製材したばかりの木材は「未乾燥材・グリーン材・生木」などと呼ばれて、木材に含まれる水分の比率(含水率)が高く、乾燥が始まると、木材の変形(収縮)がはじまります。
そうなると、木材に「反り・曲がり・ねじれ・割れ」などが起こります。
また、木の種類によっては、製材した時の大きさから最大で10ミリも小さくなってしまい、木材の大きさが変わってしまいます。
このような水分の多い(含水率の高い)木材は、とても不安定な状態なので建築後に乾燥が始まると、いたるところで変形や収縮が始まり、クロスのヒビ割れや床が下がるなどの問題が発生して、結果的に家そのものに狂いが発生してしまいます。
また、水分の多い(含水率が高い)木材は、シロアリや腐朽菌が発生しやすいのです。
ですから、このような木材で家を建ててしまうと、結果的に弱い骨組みとなり、安心で長持ちする家を作ることができません。木の家の見えない骨組みだからこそ、安心で強い木材を選ぶことが大切なのです。


断面の大きい集成材は防火性能が高い
木材は燃えますが、断面が大きくなると表面は焦げて炭化層ができ、酸素の供給が絶たれ、燃え難くなり、1000℃以上になっても必要強度は保たれます。
建築基準法令でも集成材の防火性能は認められております。

鉄・コンクリートより強く建物の軽量化が可能
木材の力学的性質のうち、単位重量当たりの強度を比較するとスギと鉄では約4倍、コンクリートでは約5倍の差があります。
そのため建物重量は大幅に軽量化が可能で、基礎は、より小さくなり、施工も容易になって、建物のコストダウンに結びつきます。

断熱性に優れ、調湿能力は抜群
木材は建築材料として日本の気候風土に最も適してるといえます。断熱性に優れ、夏は涼しく、冬は暖かく、湿度の高い梅雨は水分を吸収してくれるなど理想的な住まいを提供してくれます。熱伝導率は鉄の200分の1、コンクリートの4分の1の低さであり、調湿能力は3mの10cm角の柱1本で、一升ビン1本分の水分を出し入れできるといわれており、結露を防ぎます。
集成材とホルムアルデヒドについて
ホルムアルデヒドとは、一酸化炭素と水素を加熱処理することによって発生するメチルアルコールが酸化して出来る無色の気体です。集成材に使用される接着剤は、ホルムアルデヒドを含まないもの(水性高分子イソシアネート)か、含んでいてもごくわずかなもの(レゾルシノール)です。JAS規格が改正され、集成材及び構造用集成材のホルムアルデヒド放散量基準は次のとおりです。
従来の規格 | 新規格 | ホルムアルデヒド放散量 | 備考 | |
---|---|---|---|---|
平均値 | 最大値 | |||
– | F☆☆☆☆ | 0.3mg/L | 0.4mg/L | 新規格で新設 |
Fc0 | F☆☆☆ | 0.5mg/L | 0.7mg/L | 従来規格を移行 |
Fc1 | F☆☆ | 1.5mg/L | 2.1mg/L | 同上 |
Fc2-S | F☆S | 3.0mg/L | 4.2mg/L | 同上 |
ホルムアルデヒドは、高濃度では人体に影響があると言われていますが、低濃度のホルムアルデヒドは天然の成分として食品・木材等にも含まれており、集成材から出る放散量は自然界とほぼ同じとされています。